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愛しては、ならない
第25章 離したくない


俺は、菊野を抱えたままで靴を脱ぎベッドへと進む。

彼女の震えが次第に大きくなり、腕を掴む指に力がこめられる。

怖がっているのだろうか……


それも無理はないと思う。

俺は本気で彼女を何度も抱こうとした。

好きだと告げても何も答えてくれない彼女に焦れ、そしてその愛らしさに恋情を抑えることが出来ずに……

今でも、彼女を抱きたいと俺は思っている。

泣かれようが、叫ばれようが、噛まれてこの腕を千切られようと、彼女の全てを欲しい。




……いや、やはり無理矢理な事はしたくない。

だが、そうでもしないと彼女を自分の物にする事など出来はしないだろう。




ベッドに静かに菊野を降ろし、俺は身を屈め同じ目線で彼女を見詰めた。




菊野は頬を染めて、俯いてシーツを指先で握り締めたまま何も言わない。



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