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愛しては、ならない
第26章 離したくない ②
ずっとひた隠しにしてきた恋が、こぼれてしまった……
施設のホールでピアノを奏でる姿を見たその時から、私は貴方に囚われて……
……私の小さな王子様のように思っていた。
いつまでも、私の目の届く所に、貴方を置いて置きたかった。
そんな願いは、叶わないと知りながら……
「菊野さん……っ!」
「あっ」
剛が、私を抱き締めたままで熱烈に口付けをする。
彼の全身が昂っているのが、その唇の熱と荒い呼吸で伝わってきた。
優しく小鳥の触れ合いのように唇を軽くつつくようにしたと思えば、激しく舌を絡ませながら、彼の指が背中を悩ましい手つきで撫でる。
「んん……ん」
私は、彼にしがみつくのに精一杯だったが、何時しか、彼のキスに応えて舌の動きを合わせていた。