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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦
叶わない、と思っていた。
この想いは、報われぬままで終わると……
ならば、せめて今夜彼女を無理矢理にでも抱いてしまおうと――
身勝手な画策をして、そして実行してしまった。
悟志が目を醒まさないのを良いことに、弱った彼女につけこもうと考えたのだ。
――俺は卑怯で、最低な人間だ。
今でも、悟志がこのまま回復しなければいい、と願っている。
そうすれば、彼女を俺が支え、抱き締めて……
「……恩知らずで、恥を知らないな……」
思わず呟いて、彼女の小さな左手を取り、薬指のリングを苦い思いで見た。