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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール




剛は、その人が幼い頃から双子の母親になるのが夢だった事や、自分が生んだ息子が剛に似ている事、そして絵本の
"ふたごの星"の話をするのを黙って聞いていた。



話を終わると、その人はふうと息をついて、何だか清々しい表情をしていた。


話をすることである種の達成感を味わっているのだろうか。




「……で?」



「え……でって」



きょとんとするその人を見ていたら、無性に意地悪をしたくなって来た。


素直な、疑う事を知らない色の目をドロドロに濁らせてやりたい。



剛は静かに笑いかけた。



「それで……
双子の片割れを探し回っていたという事ですか?今まで何ヵ所位施設を回りましたか?」



「えっと……
沢山探したよ?
でも、全然祐樹に似てる子が居なくて……
でも良かった……あなたに会えて」



無邪気な明るい笑顔を向けられて、胸の何処かがチクリとした。



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