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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦
腰を引こうとする菊野の耳に軽く歯を立てて、低く囁いた。
「――もう待ちません」
「……」
彼女の瞳に涙が宿り溢れそうになるが、俺は躊躇せずに細腰を掴み、誘う泉に一気に自分をめり込ませた。
同時に強烈な熱さが獣を襲い、ぎゅうと締め付けられる感覚に、俺は呻いた。
菊野の指が、爪が、背中に強く食い込み鋭い痛みが走るが、下腹部を苛む凄まじい快感のほうが遥かに勝り、俺は夢中で腰を突き進める。
ベッドが烈しく揺れ、彼女の身体も揺れる。
俺が突く度に、泉から滴が溢れる音が部屋に響き、彼女の甘い吐息と美しいハーモニーを奏でているようだった。
「……っ……!……っ!」
声にならない喘ぎが、俺の鼓膜から身体に入り込み媚薬となって、快感と恋情に更なる火を放つ。