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愛しては、ならない
第28章 罪と恋を抱き締めて
胸の中で眠る剛の真っ直ぐな髪を撫でていると、どうしようもない程の恋しさと切なさが込み上げて、喉の奥が締め付けられる。
「……っ……ダメ……また泣いちゃう」
涙を拭う事もせず、時計の秒針だけが響く部屋の中、私は彼の背中を抱き締めていた。
今、夜中の何時なのだろうか。
朝になったら、此処を出てあの家へ戻る――
戻れるのだろうか?
何事も無かったように、家族として彼と暮らせるの――?
『俺を、子供などと思わないで下さい』
『これきりなんて言わせない――』
彼の放った言葉が、胸に突き刺さり、それは毒を持つ針のように私の中を甘く蝕んでいく。
「子供だなんて、思った事なんてない……
貴方は私の……」
彼のつるん、とした頬にそっと口付け、言葉を呑み込む。