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愛しては、ならない
第28章 罪と恋を抱き締めて

唇を離すと、剛が上ずる声で囁いた。
「菊野……教えて……どんな風にしたのか……」
「し……しないもん!!」
必死に首を振ると、彼の手が私の顔を掴み固定して前を向かせた。
甘さの中に鋭さを沈ませた瞳で語りかける。
「正直に答えて……」
「――っ」
脳裏に、悟志との交わりがまざまざと蘇った。
私は、自分を自分で慰めるのではなく、剛に抱かれる事を想像しながら悟志に抱かれ、声を上げていたのだ――
まさか、そんな事を言える訳がない……
唇を噛み、彼を見詰めていたら涙が溢れて来てしまった。
剛が、そんな私を見て目を鈍く光らせ、小さく笑った。
「そうですね……
菊野さんは、毎晩悟志さんに抱かれていた……」
「――!!」

