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愛しては、ならない
第28章 罪と恋を抱き締めて
「ほら……そうやって、もう俺を遠ざけようとしている!!」
「だって……剛さん……私は」
「言わなくても分かってます……だから何も言うな!!
今だけは何も……っ」
「あっ」
剛は私を再びベッドに沈めて、身体中にキスをしながら囁いた。
「余計な事を言えないように……こうします」
「――あああっ……ダメっ……」
彼は太股を掴み拡げると、私の一番敏感な花園の周りに舌を這わす。
「剛さん……っ……んん……
好き……好きよ……っ……ああっ」
「菊野……好きだ……好きだっ」
ほの暗い部屋のベッドの上は、二人だけの秘密の園だった。
今だけは、どんな風に身体を絡み合わせても、甘い叫びをあげても、陳腐に思える恋の言葉を囁きあっても、誰にも聞こえない。
誰も、二人を邪魔する者は居ない。
私達は、夢中でお互いを奪い合い、そして快感を、愛を与えあっては時に声をあげた。
際限無く、何時までも。
疲れ果てて、眠りに堕ちるまで……
束の間の恋人の時間は、確実に終わりが近づいていた。
その事を知らせるように、時計の針は規則正しく秒針を刻み、窓の外はうっすらと白み始めていた――