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愛しては、ならない
第29章 虚しい演技を止める時
小さな頃、両親に叩かれたり罵られ、泣くともっと酷くやられた。
痛くて怖くて泣く俺に
「ピーピー泣くな!!うるさいんだよ‼」
と大声を上げてもっと酷い暴力を振るう。
俺はある日、恐ろしさが限界を越え、笑いが込み上げてきた。
笑いはやがて、ヒステリックな狂気じみた物に変わり、俺に手を振り上げようとしていた父親が、気味悪そうに俺を見て、それ以上殴らなくなった。
それ以来、何かある度に俺は作り笑いをするようになった。
そうすると、両親は気持ちの悪い生き物を見たように、俺から手を離して目を背けた。
――今でもわからない。
一体、俺はあの人たちに取ってなんだったのか。