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愛しては、ならない
第5章 戸惑いの始まり
真歩は、内心は願ったり叶ったりだったが、表面はしおらしく振る舞った。
別れの際にはしっかりと手切れ金も貰ったのに。
「別途の退職金だと思えばいいのよ」
と、彼女はドヤ顔で話した。
それ以来、真歩は家庭教師を時々やっているのだ。
まだ独身で、家も裕福な為、がっつり働く必要もない。
口コミで依頼があったりすると、その生徒を受け持つようにした。
私は、剛を引き取ったら真歩に家庭教師を頼むつもりでいる。
真歩は、結婚してからも付き合っている数少ない友人達の中でも一番仲良しだ。
恋多き真歩の体験談や武勇伝を聞くのは、男性を悟志しか知らない私にとってはとても面白かった。
同性の友人の間では、真歩はあまり評判が良くなかったけれど、私は真歩が好きだった。