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愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない

ドアを閉め、エプロンを取りベッドへ腰掛けた途端、頭と瞼が急激に重くなっていく。
よく考えれば、昨夜は殆ど眠っていないし、休みなく剛と――
私は首を振り、枕を抱いて横たわる。
このベッドで休むのがとても久し振りの様に思った。
私は結婚してから、ここで悟志だけに抱かれていた。キスも、愛撫も、身体を貫かれる事も悟志が初めてで、一生彼にしか触れられない筈だった。
けれど――私は知ってしまった。
恋すると、身体中が反応してしまうという事を。
今まで、そんな現象がある事さえ理解出来なかったのに。
剛と繋がって、快感を与え合って、狂った様に恋を叫んで……
(これ以上、考えたら駄目……)
目を閉じても開けていても昨日の映像や音が頭の中で、胸の中で再生されて止まらない。
だが、疲れきった全身の疲労の方がやがて勝ち、いつの間にか眠りに落ちていた。

