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愛しては、ならない
第30章 彼しか見えない

「ふああ……ああっ!!」
シャワーを浴びても怠さが取れなくて大きく欠伸をしながらバスルームを出ると、丁度二階から降りてきた剛と鉢合わせし、眠気が吹っ飛んだ。
剛は、紺と白のストライプのパジャマ姿だが、襟元から覗く胸元が目に入り、ドキドキしてしまう。
彼にはもう冷たい位の態度で接するつもりでいたのに、こうして顔を見るとやはり嬉しくて頬が緩んでしまう。
剛は、柔らかく笑い、私のパジャマを見て言った。
「何だか、お揃いみたいですね」
「ヘっ?」
思わず自分の着ている物を見ると、確かに紺と白のストライプだった。
剛の着るものを選ぶのは私だが、無意識にペアっぽい物を買ってしまったのだろうか。
ニヤニヤと意味ありげに笑い首を傾げる剛に、私は必死に誤魔化そうと弁解する。
「うっ……そそそその……っ!!
二枚でまとめてセールだったの!!
……さ……悟志さんには……ちょっと……若いデザインかなあ……て思って……
そ……それで……あっ」
俯いて、モジモジとタオルを弄んでいたら、彼に抱き締められた。

