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愛しては、ならない
第31章 企み
「おい、その傷、どうしたんだよ」
学校からの帰り道、森本が俺の腕を見て目を丸くした。
「……本当だわ……!剛君大丈夫?お医者様には診てもらったの?」
清崎も腕を見て小さく叫んだ。
四月の上旬だと言うのに、今日は真夏の様に暑くて、俺はジャケットを脱ぎシャツの袖を肘まで捲ったのだが、昨夜菊野に噛まれた痕が露になってしまったのだ。
「ああ……このくらい平気さ」
泣き出しそうな顔の清崎に微笑んで見せたが、彼女は俺の言葉を信用していない風だ。
「でも……ちゃんとしないと痕が残ってしまうわ」