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愛しては、ならない
第32章 企み②
「森本君は、珈琲かしら?それとも、頂き物のフルーツの紅茶があるの……
どっちにする?」
リビングのソファに行儀よい姿勢で腰掛ける森本の視線を背中に感じながら、私は落ち着かない気分でキッチンの棚から来客用のソーサーとカップを出し、彼に尋ねた。
剛も高校一年にしては大人びているが、森本も中学の頃から目立っていた。
すらりと伸びた手足に、堀りの深い優美な顔立ちはハーフかクオーターのようにも見える。
(今の子供って、発育がいいと言うかなんと言うか……
綺麗な男の子多いような気がする……
剛さんも綺麗な顔だし……
それとも、ただ、そういう子達に目が行ってしまうだけの事なのかしら……)
ちらり、と彼を盗み見ると、バッチリ目が合ってしまい、私は
「ひっ」
と変な声を上げてしまった。
森本がお腹を押さえて笑い出す。
「はは……どうしたんです?
可愛い声出して」
「かっ……!」
思いもかけない言葉が綺麗な彼の口から飛び出し、ボン、と頬が熱くなってしまった。