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愛しては、ならない
第32章 企み②
だが、森本の手は私の腰を離すどころか、そのまま背中へと滑らせ、そして両の腕で羽交い締めにした。
「……森本っ……」
「いい香りだ……髪も、肌も……
ゾクゾクしますね……」
うっとりとしたような彼の声が耳を擽って、全身が震える。
突然の彼の行動が理解出来ず、私は茫然とするが、大きな掌が胸元に伸びてブラウスのボタンを外そうとしているのに気付き、咄嗟に彼を肘で突き飛ばした。
「うわっ……」
派手な音を立てて、彼が床に転がった。
「……だ、大丈夫?」
彼が頭を両手で押さえているのを見て思わず駆け寄ったが、彼の唇が歪んだと思うと、腕を掴まれ、あっという間に組み敷かれてしまった。