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愛しては、ならない
第32章 企み②
「パパが帰ってくるまで……俺が……ママを守るんだ――!」
祐樹は、怒りに瞳を煌めかせ、背中のランドセルを降ろし、彼の腹へ叩き付けた。
「ぐは……っ」
森本が、激しく咳き込み、顔を歪めるが、祐樹は再びランドセルを振り上げた。
「祐樹――!止めなさい!」
私の声に、祐樹は戸惑った様な目を向け、手を止めた。
「ママ……!なんで止めるのさ!!」
「もう……大丈夫……大丈夫……だからっ……」
「だって、泣いてるじゃないか!こいつがママを泣かせたんだろ!!
女の子を泣かす奴は悪者だよ――!」
祐樹は、小さな拳を力一杯握り締めて、森本を睨み付けた。