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愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)



小さな指が俺のシャツに再び触れるが、その手を掴み、彼女に聞く。



「祐樹が隣の部屋に居ますよ……」


「知ってるわ……」


彼女は、一瞬躊躇う様に目を臥せ、小さく言う。

俺は顔を彼女の胸に埋め、その身体を抱き締める。

途端に身体を震わせ甘い声を漏らし、俺に火を点ける。


「だからって……俺は手加減出来ませんよ……

抱きたいように、抱きます……

物音や声を気にして、調節しながらなんて芸当は俺には無理です……」



豊満な膨らみを指で弄んでいると、昼間触れた清崎の身体の感触を思い出して、俺は直ぐに打ち消す。

清崎にも惹かれているのも事実だが、俺が愛しているのは貴女しかいない。

こうして抱き締めるのは、菊野、貴女だけだ――




「ん……ん……

わ……わかってる……わ」


菊野は、もう息が荒くなっている。

軽く触れただけで淫らに反応され、俺の喉がごくりと鳴った。


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