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愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)
長い長いキスだった。
ここまで執拗に唇を離さない彼女は初めてだったので、驚きと共に訝しい感情がチラリと俺の中から生まれる。
一体、どうしたと言うのか。
今夜の彼女は今までの中で最も大胆で魅力的だが、あまりにも烈しくて、何処か無理をしている様にも見えた。
それとも、何かを心の中に隠しているのだろうか?
二人の唇が漸く離れ、呼吸を整えてから俺は彼女の頬に触れ、口を開いた。
「菊野……もし」
俺の言葉を最後まで聞かず、菊野は腰を回しながら蕾をギュウ、と思いきり締めた。
電流に打たれたように身体中が痺れて、一瞬息が止まる。
そしてまた、同じ事を繰返しながら、菊野も甘い溜め息を漏らした。