この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第34章 恋の短夜(みじかよ)
「……菊野……俺は」
――もし、悟志さんが回復しなかったとしたら、俺が貴女を支える――
そう言いたくて口を開くと、彼女の瞳が強い光を帯び、俺にしがみつき唇を塞いできた。
「……ふ……っ……っ」
「……んん……ん」
噛みつくキス、と言うのはこんな風なのだろうか、と頭の隅の僅かに残る理性で考える。
息を漏らす暇もない程に、菊野は唇と舌を駆使して俺の中を掻き回す。
キスをしながら彼女は腰を再び俺に打ち付け始め、小さな柔らかい指で胸の突起を摘まんで愛撫してくる。
敏感な箇所を同時に責められて、今度という今度は本当に、正気を失いそうだった。
身も心も焦がれている女に、ベッドで積極的に身体を愛され、平静で居られる方がおかしい。
今、こうして貴女に甘く烈しく愛されているのに、正気で居られるわけがない。