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愛しては、ならない
第35章 Love is……
「……っ……菊野……ごめん……っ」
烈しく掻き回しながら彼が上擦る声で呟いて、私は返事をしようとするが、彼に大きく揺さぶられている状態で、しかも口からは喘ぎと溜め息が次々と漏れて、まともな言葉にならなかった。
「つ……んん……なに……ああああっ……あ」
彼の前髪が身体が揺れる度に跳ねて鋭い瞳が覗く。
鋭く、何処か悲しい色をした――でも、とてつもなく優しい光を宿すその瞳。
貴方がまだ11歳の時に出逢い、その瞳に心を奪われていたの――
いつも何処か遠くを見詰めるような貴方が歯痒くてもどかしくて、こちらを真っ直ぐに見て欲しいといつも思っていた。
そして、今、貴方は私を真剣な眼差しで、そして獣のように……
見詰めている。
やっと貴方と通じ合えた。
愛し合えた。
でも、それも今夜で終わりなんて――