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愛しては、ならない
第37章 愛憎②
彼に捕まれた手が小刻みに震え、バッグを落としそうになる。
唇までがわなないて、また叫びが衝いて出そうになるが口を塞がれてるために低い呻き声が漏れるだけだった。
彼は妖しい光を瞳の中に沈ませたまま、私を抱き寄せて強引に部屋の中へ上げると、靴を器用に脱がす。
「小さい足ですね……かわいいなあ、本当に」
パンプスを玄関のクロークにしまい、彼は呟いた。
身体を震わす私を見て可笑しそうにクスクス笑い、再び手を掴む。
「……いやっ……離して」
「もう~そんなに怖がられると、流石にショックじゃないですか」
森本は眉を少し歪め、私の肩を抱いてリビングへ行き、大きくて立派なソファへ私を座らせて、自らも隣に腰掛ける。