この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第38章 愛憎③
「――っと」
反射的にそれを空中で掴みとり、祐樹を見る。
祐樹は時折、突然何かを投げ付けてくるという悪戯を仕掛けてくる事がある。
俺がキャッチすると、いつもならその澄みきった瞳に無邪気な色を浮かべ『やるじゃん』
と言うのだが、今の祐樹は俺を睨み付けている。
「祐樹――」
「剛はさ、やっぱり俺らに関心がないんだろ?
パパが意識が戻らなくたって、ママが何かで悲しんでいたって、俺がどんなにその事を心配してるかなんて、お前には関係の無いことだって思ってるんだろ!!」
「祐樹、それは違……」
「そんなにこの家が好きじゃないなら、来なければ良かったんだよ!!」
祐樹は拳を握り締め、床を見詰めて怒鳴った。