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愛しては、ならない
第39章 愛憎④
『いや……ごめんごめん……晴香は、頑張ったんだよな』
『そう……私……頑張ったの……なのに……っ』
流れる涙を拭いもせずに唇を噛む彼女がいじらしく、可愛くて、森本はその華奢な身体を抱き締めた。
彼女も彼にしがみつき、胸に顔を埋めて泣きじゃくった。
『死ぬくらいならさ……僕に晴香、抱かせてよ』
『何よそれ……サイテー……』
彼女は、口ではそう言いながら泣き笑いをしている。
森本は彼女の柔らかい頬に触れてとびきり甘い笑顔を見せた。
『うん。サイテーだけどさ……このまま死ぬよりは、僕と楽しくセックスした方が絶対に最高な気分になるって』
『……優しくしてくれる?』
『うん』
『変なこと……怖い事とか、しない?』
『あはは。危ない趣味はないから大丈夫だよ』
清崎は、やっとその瞳から思い詰めた色が抜け、パタリと彼に身体を預けた。