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愛しては、ならない
第39章 愛憎④
どこへ行く、と腕を掴み止めるが、彼女は首を振って涙を流し『誰にも迷惑をかけないで死ねる場所を探しに行くの』
と言い張り半狂乱になった。
森本は彼女を抱き締めてこう言うしかなかった。
『生きてれば、良いことあると思うよ?』
『そんなの、ない!!』
『いや、そんなにキッパリ言い切らなくても……
剛だって、一ヶ月後位に振り向くかも知れないし』
『一ヶ月?』
『……いや、三ヶ月とか?』
『絶対にそう思う?』
『……半年後……とか……』
『――そんなに待てない!私、三年間ずっと好きなのに……
今日フラレて……このまま恥を晒して生きてたくない!!』
『いや、恥かいてないよ』
『かいたの!!』
『いやいや』
『一生懸命にお洒落したのに……勇気を出して私から……キ、キスしたのに……っ』
『――ふうん』
大人しそうな顔をしてやるじゃないか、と感心して思わず感嘆の溜め息をつくが、清崎は目を剥いて怒った。