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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
「ねえ、ママ、今度久しぶりに遊園地に行きたいな」
「ママもそれを言おうと思ってたの――!」
なんだか嬉しくなり、祐樹をギュウと抱き締めた。
お日様の匂いがする。
幸せにうっとりとしていたが、唐突にある考えが浮かぶ。
「ねえ祐樹?
遊園地……あのお兄さんも一緒でもいいかな?」
祐樹は目を輝かせた。
「うん!いいよ~!
お兄さんと行きたいな!」
「本当にいい?」
「いいよ~!だってボクのお兄さんになるんでしょ?」
「祐樹……!」
私は、また抱き締めてしまう。
腕の中でくすぐったがって笑う祐樹を愛しく思いながら、私は覚悟を決めていた。
――剛さんが今まで貰えなかった愛情を、祐樹に注ぐのと同じ位にあげよう。
家族同然になるのは無理でも……
剛さんの心からの笑顔が見たい――