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愛しては、ならない
第39章 愛憎④
「――あ……ああああ!」
「……くっ」
清崎にギュウ、と自分自身を締め付けられて、森本の意識が過去から今に呼び戻された。
今や総てを脱ぎ去った彼女が髪を乱し、乳房を揺らし脚を開いて森本の律動に声をあげている。
彼女の花園を獣が往復する水音と、烈しく鳴るベッドのスプリングはまるで女の啜り泣きの様に聞こえた。
菊野も、泣いているのだろうか。
許されない関係に涙を溢し、その肩を震わせて、ひとりベッドで心細い子供がするように、小さく身体を丸めて宙を見詰めるのか?
それとも、剛の胸に身を預けて泣くのだろうか?
「――っ……」
その映像を思い浮かべた刹那、彼の胃や心臓はキリキリと痛む。