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時を越えて
第1章 時を越えて
その映画館は、マンションから少し離れた所にあった。

だから幸いな事に余り一般人は来ることはなかった。

だから思いっきり奨に甘えられると思うだけで気分はハイ になっていた。

私と奨は映画館に入った 中はまだらに人がいた。

私と奨は真ん中よりに着席した。

(何故だろう?さっきから凄く胸がドキドキ鳴ってるよ。
どうして、こんなに鳴ってるの?)

横に座っている奨をちらっと見てみると、真剣な眼差しでスクリーンを見ていた。

(朝はこんなことなかったのに……)

私はこの場にいたたまれなくて
「奨お兄ちゃん 少し化粧室に行ってくるね。」と言って 私は席を立った。そして歩きだした。

その後ろ姿を、後ろから奨が妹じゃない 一人の女を想う愛しそうに見てたのを 私は知るよしもなかった。
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