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第3章 ソ

「良いだろ。彼女なんだから」
そう言って、誤解は誤解のままにしておく。
「さぁ、もういいだろ。吉見校内を案内するよ」
そう言って、好奇の目にさらされているその場から吉見を連れ去った。

「助かったよ。ありがとう」
ゆっくりと校内を歩きながら礼を言えば
「高校の文化祭なんか卒業以来よ！
お礼は模擬店の食べ物でいいわ！」
そう言って、綿あめや焼きそば、タコ焼きのブースを見つめる。
「はいはい。好きなの買ってやるよ」

そう言って二人で歩いていくと
店の先々で
「佐藤先生の彼女？」
なんて聞かれて、吉見は見たこともないような優しい顔で笑う。

「吉見、やりすぎ」
耳元で小さくそういえば、俺の肩のくぼみに顔を寄せてくすくす笑う。
その姿でまた男子が騒いだ。
女子まで一緒になって騒ぎだした。

そろそろ帰るという吉見が
「今日は打ち上げとかするの？」
と聞くので
「教師は打ち上げはしない。今日は午後にマサたちもこの文化祭を見に来るんだ」
「え？金子さんも？」

「ああ。ここは俺たちの母校だからたまには見に来る？
って誘ったら来るって言うからさ。そのメンバーで飲みに行く。
だから家の前で待ってても俺は帰りは遅いから今日はコマリに会うのは我慢しろ」

「え～。コマリに会いたい」
「今日はだめ」