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触手学園
第1章 始まった

太さ5~7センチ。

長さは分からない。どこまでも伸びる気がするから。

色は赤黒い。例えるなら勃起した男性器。

回りからはネチャネチャした液体が絡まっている。

力はかなりあると思う。

捕まったら…おそらく逃げられない。



それが今分かっている事。

学校中がパニックになってる時にも、俺の頭の中では冷静に謎の物体の情報をまとめていた。


あれに捕まってはいけない。
本能で分かった。

今の状況に焦っていない訳では無いけど、どうも俺の頭は他の奴等より冷静な作りになってるらしい。


俺はしばらく触手に捕まった男子を呆然と眺めていた。

いや、観察していたの方が正しいかもしれない。


何十本もの触手がうねりながら男子を包みこんでいる。
絡みあった触手の間から時折うめき声の様なものが聞こえてきた。

…うめき声?

いや、違う。今のは…?


そう思っていると、はらりと制服の切れ端が落ちてきた。

はらり、はらり。


「溶け、てる…のか?」



制服が溶けるってヤバくないか?

もしかしたらあの男子もあの中で溶かされているのかもしれない。


俺が見ていたのは、そこまでだった。

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