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セフレの彼は幼なじみ
第10章 思い悩む菜那美
 ところが、そんな楽しく幸せな気分も長くは続かなかった。

 去年までの夏休みのことを思い出したのだ。

 今まではずっと、夏祭りや花火大会など夏のイベントに、陸翔と二人で行っていた菜那美。

 プールや海などへも。

 しかし、今年からはそんな風に二人っきりで出かける機会もないだろうということは、菜那美にも容易に想像がついた。

 今はセフレという関係上、お互いの部屋へは一緒に入れるものの、一緒に出かけることはご法度だろうと考える菜那美。

「彼女がいるんだもんね……。二人で出かけるなら、それってデートだし……。私はもう二度とデートできない……」

 顔を手で覆ったままの菜那美だったが、さっきまでとは異なり、その手の下の表情は曇っていた。




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