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セフレの彼は幼なじみ
第13章 共同戦線
 しかし智孝は、苦笑しながら否定する。

「い、いや、僕に関しては、特段そんなこともないんだけど。人気っていうけど……単純に、一部の人々が僕を過大評価してくれているだけかな」

 菜那美は内心、「そんなことあるのに」と思ったが、口にはしなかった。

 事実、菜那美だって、智孝のことはイケメンだということに異議はない。

 ただ、菜那美にとって恋愛対象になるのは、世界で陸翔ただ一人なので、智孝も当然その範疇には入ってこないだけだ。

 智孝はすぐに続ける。

「ともかく、菜那美ちゃんが自分自身を過小評価していることだけは分かったよ。うちのクラスの男子の間でも、たまに話題に上ってるんだよ、菜那美ちゃんのこと」

「え?!」

 菜那美にとっては初耳だった。

 悪い気はしないものの、「やっぱり、陸翔から好かれたい。陸翔に好かれたなら、他の人たちが自分をどう思おうともかまわない」という想いが強い菜那美。

 そしてまた、「ひょっとしたら、一度どこかで軽く話題になったのを、大げさに言ってくれてるんだろう。自分を気遣って」と思ったのだった。

 それほどに、自分の話題が、他のクラスの男子の間であがるなどということには、ピンと来ない菜那美。




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