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セフレの彼は幼なじみ
第13章 共同戦線
 すると、絵莉花が慌てた様子で言った。

「ごめんなさい、鷲沢さんと先約があったのですね」

 菜那美は、絵莉花とは対照的に、落ち着いて言う。

「いえいえ、お気になさらず。えっと、陸翔……君、行ってきてあげてね。一緒に帰るのはまた今度でいいから」

「え、菜那美。でも……」

 菜那美は「本当に陸翔って義理堅いなぁ。いくら先約だからって、彼女さんのお願いよりも自分との約束を優先するなんて」と内心思っていた。

 そして、手を振って二人から離れながら挨拶する菜那美。

「大丈夫だよ。陸翔……君、また明日ね。夕凪さん、それでは、また」

 陸翔は何か言いたげだったが、「あ」と一言発しただけで、すぐに言葉を飲み込み、手を振った。

 絵莉花はこころもち微笑みながら一礼し、優雅に手を振っている。

 菜那美はそんな二人に再び手を振り返してから、校舎出口へと向かった。




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