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セフレの彼は幼なじみ
第19章 智孝の話
 事情が分かった菜那美は笑顔で言う。

「全然、気にしないでね。智孝君のお陰で、夏祭りに一緒に行けるんだもん、私としては感謝の気持ちだけだから、謝る必要は全くないよ」

「ありがとう、菜那美ちゃんは優しいね。でも、僕がかなり菜那美ちゃんを振り回したことは間違いないから、本当に心から申し訳なく思っているよ。夏祭り、お互い楽しめるように願ってるよ」

「うん、楽しみだね。あ、海へ行くって言ってた話は、どうする?」

「日取りは未定だけど、それも『行けたら行きたい』って気持ちだよ。ただ、夏祭りの方が優先度が高いけど……」

「私も同感。あの……短い間だったけど、ありがとうね」

 そう言ってから、一抹の寂しさを感じる菜那美。

 智孝も同じ気分だったらしく、苦笑しながら言った。

「こちらこそ、ありがとう。……僕たち、本当に付き合っていたわけじゃないのに、何だか切ないなぁ。でも、別に二度と会えなくなるわけじゃないし、元気を出さないとね。これからも、友達として、戦友として、よろしくね」

「戦友かぁ……たしかに」

 うんうんと頷く菜那美。

 実際のところ、似たような悩みを抱えているので、この表現もしっくり来ると菜那美も思った。




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