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セフレの彼は幼なじみ
第3章 菜那美の部屋で……
「菜那美、えっと……その……気持ちよかったぞ。菜那美は……?」

「私もすごく。痛かったのは最初だけで、とっても気持ちよくなれちゃった」

 照れ笑いをしつつ菜那美が答える。



 すると、陸翔が言いづらそうな様子で、菜那美から視線をそらして言った。

「えっとな……。菜那美さえよければ、またやらないか? もちろん、次からはゴムを使うから」

「えっ?!」

 耳を疑う菜那美。

 頭が混乱して言葉が出てこないようだ。

「菜那美が嫌なら、別にいいけど」

 相変わらず、不自然なほど菜那美と目を合わさずに、陸翔が言う。



「私も……したいけど……。で、でもね……。陸翔の彼女さんは……」

 少し冷静さを取り戻した菜那美が、気がかりになったことを伝えた。

「絵莉花とは、キスすらまだだから、身体の関係になるのは恐らくもっともっと先になるだろうな。二股をかける気はないから、絵莉花ともそういう関係になるのであれば、きっちり伝えるから。そのときには、関係を解消すればいいじゃん。ま、菜那美が嫌なら、この話は忘れてくれ」

 菜那美は内心、絵莉花という名の彼女には申し訳ない思いもありつつ、「陸翔が絵莉花と別れて、自分と付き合ってくれたらなぁ」と考えてしまっていた。



 そして、よくよく考えてみると、陸翔には絵莉花と別れる意思がなさそうなので、「依然として自分は、陸翔にとっては恋愛対象ではないんだ」ということを痛感する菜那美。

 悲しくなってきたが、ここで黙っていると拒否していると捉えられかねないので、菜那美は慌て気味に答えた。




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