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セフレの彼は幼なじみ
第4章 智孝と菜那美
 そんな智孝が手招きしながら、菜那美に向かって言った。

「鷲沢さん、ちょっといいかな」

 今まで智孝がこの教室を訪れた際には、いつも陸翔とばかり話していたので、突然呼ばれたことに菜那美は驚いた。

 自分に用があるなんて、と不思議に思いつつも、すぐに「うん」と返事をして席を立とうとする菜那美。

 驚いたのは菜那美だけではなく、菜那美の友人たちや他のクラスメイトたちも同じようで、みんな目を丸くしている。

 それもそのはず、校内きっての女子人気を誇る智孝には、まだ一度も浮いた噂もなく、そういう気配すら感じさせなかったからだ。

 クラスメイトたちは、にわかに「まさか、鷲沢菜那美が、あの早乙女智孝と付き合うのか?!」という思いに駆られたのか、興味津々な面持ちで菜那美を見ている。

 教室中の突き刺さるような視線に居心地の悪さを感じつつも、菜那美はすくっと立ち上がると、周りの友人たちに一言ことわってから、智孝の待つ廊下へと出た。




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