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2年目の関係
第6章 20:00〜

――――なかった!!
「ほら見ろ! 危なっかしいな!」
頭上に優しく笑う、山之内くんの声が響く。
目の前には、お洒落なネクタイが見えている。
頬には、彼の広くて逞しい胸の感触がした。
「あ、ありがとう……」
耳の奥に、穏やかな心音が伝わってくる。
つい心地良くて、背中に回した腕に少し力を込めると――――
「このまま部屋に、行くから……」
ドックゥン!!
「部……屋……?」
「掴まってて」
「……」
山之内くんの長い腕が私の肩を包み……
指先には部屋の鍵が、揺れていた――――。

