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刑事とJK
第99章 根城の裏で笑う者~前編~
「お、おおおおお前とうとうそっちに走ったか!!
勝手にしろ!!
だけどな、俺にそんな趣味はない!!
俺は女の方が好きだ、斉藤、お前なんかより断然女の方が好きだ!!」
「うっせぇな。
オレだっておめぇは嫌だっつの」
「きっぱり言われるとそれはそれで凹むから、何も言うな!!」
息をフーフーと荒立てる藤野をよそに、斉藤はさっさと部屋を出て行った。
嘉山もついて行こうとすると、それを藤野に止められる。
「おい、斉藤のやつ何しに来たんだ?」
「さ、さあ…
でもさっきから、いろんな人に同じようなことして回ってますよ」
「…とうとう壊れたか」
「どうでしょうか?」
遠目に見ていても、斉藤は同じことを他の人間にも繰り返していた。
______
そうやって、かれこれ署内を数時間は歩き回った。
「斉藤刑事、ほっぺ赤くなりましたね。
ってか腫れてきましたね」
「女のビンタ、死ぬほど痛かった」
「でしょうね。
それより、何でみんなのお尻ばっか見てるんですか?」
「…」
自販機の前まで来ると、斉藤はコーヒーを買った。
「確信にはほど遠い…証拠探しだな」
「はい?」
缶を開けると、それをひと口飲む。
嘉山はその様子を、横で見ていることしかしない。