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刑事とJK
第100章 根城の裏で笑う者~後編~
―――時刻は午後6時を回ったところだった。
「…そしたら、晩飯でも食いに行くか?」
「え、いいですか?」
「ああ、どうせおめぇも泊まり込むつもりなんだろ?」
「はい!!」
元気な返事に斉藤は苦笑する。
二人は再び、売店へと向かった。
―――
嘉山はテーブルに、焼肉弁当を置いた。
「ふわ~おいしそうですね~」
「そうだな」
斉藤の目の前には、またもや焼きそばがあった。
「斉藤刑事…同じ物ばっか食べてたら体に悪いですよ?」
「今日はいいんだよ、そういう日なんだ」
「…へー」
割り箸を割り、料理に手をつけていく。
少し冷めてしまっているせいか、"旨い"という感動は受けなかった。
「―――斉藤刑事は、何で刑事になったんですか?」
「…何でだよ」
嘉山は首を横に振り、一口水を飲んだ。
「ちょっと気になっただけです」
「…」
売店には、まだ人が多かった。
しかしそれでも沈黙はところどころで現れる。
「…僕は…刑事じゃなくても、良かったんです…」
独り言かもしれないその弱々しい声に、斉藤は耳を傾けた。
その斉藤の姿勢に気づいた嘉山は、自然と苦笑する。
「学生時代に出会った女の子で…恭子(キョウコ)って人がいました―――」
――――
――
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