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刑事とJK
第100章 根城の裏で笑う者~後編~
恭子は自転車通学。
僕は徒歩。
世界が黄昏ていく中、わざわざ彼女を歩かせてまで作ったぎこちない時間。
「学校、楽しい?」
わかっていて、聞いたんだ。
彼女には友達といった友達がいない。
「楽しくない」
無理して“楽しい”と言うような子ではないと思っていたけれど、本当にそうだった。
彼女の顔は心底つまらなさそうで、それでいてどこか、構って欲しそうに見えた。
「何で楽しくないの?」
「…」
彼女の目が語っていた。
知ってるくせに
って。
「嘉山君は、友達たくさんいるね」
「でも、親友は少ないよ」
「それでもいいよ、いるだけ、まし」
目の前にいる見えない誰かに、彼女はしゃべりかけていた。
決して僕の方を見ている訳ではないことに、少し腹が立った。
「僕が恭子の友達になったら、学校楽しい?」
彼女はにっこり微笑んだ。
「ううん、全然」
自転車が、チリチリと音を立てる。
「親友だったら、きっと楽しい」
僕の心臓が、大きく打った。
「じゃあ、親友な」
「今から?」
「うん」
親友で
収まってくれたらいいと
そう思ってた。
「クス、嬉しい…」
たぶん、きっと、無理だ。