この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
刑事とJK
第100章 根城の裏で笑う者~後編~
その次の日。
いつもと変わらない登校日は、ひどく冷たい風が吹き込んでいた。
曇った空は今にも落ちてきそうで、世界を狭く感じた瞬間だった。
「休みか…」
周りに聞こえないくらい小さな声で、そう呟いた。
恭子は休みだという話を聞いたんだ。
がっかりはしたけれど、また明日会えると思えば、それほど寂しいとは思わなかった。
ただ…
やはり心配になった。
欠席連絡を学校に入れてないんだ。
真面目な恭子がそんなすっぽかしするなんて考えられないし、昨日の電話のこともあって
僕は下校途中、恭子の家まで寄ったんだ。
「あー寒い…」
呼び鈴を押して、中から人が出てくるのを待つ。
いくら手をこすり合わせても、温まりそうにはなかった。
「きょーこー?」
しかし、待てども待てども誰も出てこなかった。
風邪で寝込んでいるのかなんなのか…とりあえず気になってドアノブを持つと、ドアはすんなり開いてくれた。
「お邪魔しまーす」
以前一度だけ、この家には遊びにきたことがあった。
だから恭子の部屋へは、一直線に向かうことができた。
一歩ずつ足を進める。
床はいちいち軋んだ音を立てた。
「恭子?
いる?」
厚かましいとは思いながらも、僕は恭子の部屋の扉を開けた。