パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 やっぱりここにいた

オレはそいつらに近づいた



その中で、１番最初にオレの存在に気づいたのは犬っころだった





犬はご機嫌な足取りでこっちに来ると、挨拶がわりのマーキング




これは間一髪避けてやった





「何してんすか斉藤先輩」



と言ったシゲの声に反応して、ゆうひもこっちを向いた



「よぉ、暇人」



『出た、オッサン』



出たオッサンって…

ああ、昨日のお兄さん
とでも言ってほしいぜ



「ほんとに毎日ここにいんだな。
学校は？」


『さっき終わったばっか』



ゆうひは視線を犬っころのに落とす

優しい顔だ



「この犬、飼ってんのか？」



『ううん、野良』


「その割にゃ懐いてんだな」


『懐いてるっていうか…
友達みたいなもんだよ』




一瞬、嬉しさと寂しさが入り交じったような顔をしたのを、オレは見逃さなかった



「…お前、人間の友達いねぇのか…？」




『いるわ!!!
でも最近は…付き合いがめんどくさい』



「ふーん」



聞いても良かったのかわからず、オレは何となく砂を蹴った




「あのー、先輩
この人は知り合いですか？」


シゲがオレの顔を覗き込んできた



「ああ、昨日ちょっとしゃべってたん…」
『赤の他人です』



即答しすぎだろ…



って、おい

シゲのやつ、顔が赤くなってんじゃねぇか…




「他人かぁ、そうだよね。
ごめんごめん」




『お兄さん、別に謝らなくていいって』




…なんでオレはオッサンで、シゲはお兄さんなんだ…？

年的には２つしか変わらねーぞ