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刑事とJK
第15章 海物語



ゆうひと斉藤は岩場に着いた


『なんか、これ表面気持ち悪い』


ゆうひの言葉に、
斉藤は地面や反り返った壁を見た


「これ、珊瑚じゃねぇか?」


『え、こんなにでっかいの!?』



ゆうひは珊瑚の壁を見上げた



「これで出来る島が
あるくらいだからな」



『へー、…この先も行けそう!!』



ゆうひは珊瑚の壁伝いに裏側へ回った



「あんま行くなって…」


斉藤はゆうひの後に続いた









ゆうひは足を止め、
斉藤の方に顔を向ける


『行き止まりだ…』



壁はこっち側に反り返っていて、
とても登れそうもない


「残念だったな」



『うん…あ、でも見て
ここからは海しか見えないよ』



斉藤は顔を外に向けた



さっきまでいた砂浜も、車が走っていた道路も、
何も見えない



ただ、真っ青な海と空が延々と続いていた





「…スゲー」




ゆうひは、景色に見とれる斉藤に見とれた





「ちょっと休むか?」


そう言って、斉藤は腰を下ろす


『うん』


隣に、ゆうひも座った









ずっとその場にいても
波が珊瑚に乗り上げる音しか聞こえない




『ここ、好きかも』


「ああ、オレも」


えっと思い、
ゆうひは斉藤を見た




初めてかもしれない…


斉藤と意見が一致するなんて…







嬉しい…


たったこれだけなのに…










「あのよ…」




『何?』




「お前にとって…
好きってどんな気持ちなんだ?」



『そっ…///』


突然の質問にゆうひは混乱した





「…なんだよ?」



『質問の意味が…よくわかんなくって…』


ゆうひは下を向く




「よく、好きな人、とか言うだろ?
お前にとってどんなやつが"好きな人"なんだ?」



『どんなやつってそんなの…///』



斉藤…











『あたしは…ずっと側にいたい人かな…///』



「へぇ…」





斉藤は海を見つめたまま、
ぼやけた返事をした



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