この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
刑事とJK
第20章 誘拐事件
紙には
――――
浴衣
帯
下駄
――――
と書いてあった
隅には貸し出し日と返却日も書いてある
貸し出し日の日付は3日前の…
つまり祭の前の日で、
返却日は昨日だった
「おかしい…」
斉藤は玄関へと走った
「先輩?」
斉藤は下駄を持ってきた
「なんですか?下駄?」
「多分ゆうひは、ここに書いてある浴衣と帯と下駄を
"京染屋"からレンタルしたんだ。祭に行くために」
「はい…」
「下駄はここにある
だが、浴衣と帯はあったか?」
「えっ…
探してみましょう」
二人は今度は浴衣と帯を探した
しかしどこにも見当たらない
「ありませんよ…先輩…」
「なんで下駄だけ残ってるかっつうことだな…」
「でも返却日は昨日って
書いてありますよ…?」
「あいつはきっちりした性格だから、
レンタルしたものを返しに行かねぇとは思えねぇ」
「つまり、返しに行けない状況にある…?」
「浴衣と帯がねぇから、恐らくまだ着たままだ。
つまり…
祭から帰り、家に戻って着替える間もないうちに…」
「外に出かけた…?」
「いつも履いてる靴もここにあるから、
誘拐の可能性も高い…」
シゲは手を震わせた
「祭から帰ってすぐに誘拐された…?
ゆうひちゃんが…?」
斉藤は電話をかけはじめた
「…先輩?」
「シゲ、携帯の鳴る音は聞こえるか?」
「いいえ」
「なら、ゆうひは携帯は持ってるかもしれねぇな」
「!!
それなら、居場所がわかるかもしれませんね!!」
「持っていたらの話だがな」
斉藤は急いで部屋を出た
シゲも、それに続いた