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刑事とJK
第20章 誘拐事件
―――――――――――
次の日
「返事が…来ねぇ…」
「ぇえ!?
確か昨日送ったんすよね?
その辺のOLはどうか知りませんが、
ゆうひちゃんなら一日で返してくるのに…」
斉藤は電話をかけた
PLLLL…PLLLL…
《ただ今、電話に出ることができません。
ピーという発信音の後でご用件を…》
斉藤は電話を切った
「…どうなってんだ…?」
「携帯を壊してしまったのかもしれませんよ?
…ちょっと心配ですけどね」
斉藤は椅子にドカッと座った
その様子からシゲは、
斉藤が焦っているのがわかった
「今日仕事終わったら、
一回ゆうひちゃんの家に行ってみましょうよ
日曜日だし、家にいると思いますよ」
「…そう…するか」
8時
斉藤とシゲは車でゆうひの家まで寄った
エレベーターに乗り、3階まで上がる
「確かこの部屋だったな…」
インターホンを押し、しばらく待つ
が、物音ひとつ聞こえない
「おかしいですね…」
シゲはドアの取っ手に手をかけた
ガチャッ…
!!
「鍵が…」
「開いてやがる…!!」
二人は部屋の中に飛び込んだ
「ゆうひ!!!」
中は閑散としていた
「…」
二人は狭い部屋を
キッチンから風呂場まで全部見た
しかしゆうひの姿はない
「どこ行きやがったんだ…!?」
と辺りを見回したとき
斉藤は、部屋の隅にきれいな紙袋が
置いてあることに気がついた
「これ…」
「なんですか!?」
「シゲ、"京染屋"って何だった?」
「えっと…確か着物とか浴衣とかを
取り扱ってる店じゃなかったですか?」
袋の中には紙が入っていた