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刑事とJK
第23章 約束
――――――――――
それから何日くらい経っただろう…
もう時間の感覚がわからないほど脳みそが傷んだオレは、
一度もゆうひとは会わなかった
でも
これでいい、こうでもしなきゃ…
シゲはあまり口を聞いてくれなくなった
最後に1番まともに言われたセリフが
「バカはバカでも、
先輩がこんなにバカだとは思ってませんでした」
だった
これはゆうひのことも含めてだろうが、
仕事に全然熱が入らねぇオレに向けて言った言葉だった
この時だけはオレもキレて、
シゲとは殴り合いのケンカになった
そんなある日――――
斉藤はひとり町中を歩いていた
食品の買い物と、気晴らしのためにだ
横断歩道の赤信号で待っていた
その反対側の道に
ゆうひがいた
向こうも斉藤がいることに気がついた
「…」
斉藤は引き返そうとし、足を下げた
その時、信号が青に変わり、
ゆうひが駆け出してきた
と同時に、車のブレーキがキキキィとかかる音が斉藤の耳に入り
斉藤はとっさに後ろを振り向いた
ゆうひのすぐ近くに車が来ている
周りの視線もそこ一点に集中した
斉藤は走った
そして手を伸ばした
――間に合わねぇ――
ドンッ
という鈍い音とともに、
斉藤とゆうひは車にぶつかり、道に投げ出された
周りの人たちはざわめきだす
車を運転していた男も慌てて出てきた
『痛…』
ゆうひは手をついて上半身を起こした
そして自分の下に斉藤がいることに気づいた
『さ、斉藤…!!!』
ゆうひは斉藤から下り、名前を呼んだ
『斉藤!!
ねぇ、目開けて、斉藤!!』
背中から嫌な汗が出るのを感じた
しかし、なりふり構わず斉藤を呼び続けた