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刑事とJK
第23章 約束
―――――――――――
全身いてぇ…
起き上がる元気もねぇ
ってか、起き上がる気もねぇ
何があったんだっけなー…
あ、そうだ
ゆうひがいて、
車に引かれそうになって、
オレが必死で飛び出して…
車にぶつかったな…
だからいてぇんだな、わかったわかった
で、ゆうひはどうなった?
遠くで声が聞こえるけど…
これはゆうひの声だ…
こんだけ叫んでるってことは元気ってことだよな
じゃあよかった…
『斉藤!!斉藤!!…斉藤!!』
うーるせぇーなぁ…
こっちは体が動かねぇんだよ…
『斉藤!!起きてよ、斉藤!!』
声が、スゲー近くで聞こえてきた…
「――うるせぇって…」
斉藤が、ゆっくりまぶたを上げると、
目の前にはゆうひがいた
『斉藤…』
そのゆうひの顔は
涙でぐしゃぐしゃだった
「…何…泣いてんだよ…」
涙を拭ってやろうと手を上げようとするが、
そこまで持ち上がらない
「患者の意識が回復しました!!」
その声と体に感じた振動とで、
自分は今、救急車で運ばれていることがわかった
「…大袈裟…」
するとゆうひは斉藤の胸に顔を埋めた
『よかった…よかったよぉ…』
斉藤はゆうひの頭に手を置いた