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刑事とJK
第23章 約束
―――――――――――
「斉藤さん、ほんとに車とぶつかったんですか?」
医者は、椅子に普通に座る斉藤を見て感嘆した
「ぶつかりましたね」
斉藤はきっぱり返す
「すごいですね、擦り傷は多少あるものの、
ほとんど無傷ですよ」
「まぁ…、殴られたりすんのは
もう馴れましたから…」
「ボクシングですか?
もう少し様子を見たいので、また2、3日したら
病院の方まで来てもらってよろしいですか?」
めんどくせぇ…
「はい…どうも…」
斉藤は診察室から出て来た
ロビーまで行くと、長椅子にゆうひが座っていた
『どうだった?』
「ほとんど無傷だと。そっちは?」
『あたしは…あんたがかばってくれたから、大丈夫』
「そうか…、じゃーな」
立ち去ろうとする斉藤の服を、ゆうひは掴んだ
「…何すんだ?」
『それはこっちのセリフだ!!
どうしてあんなに無視したの!?』
服を掴む手に力が入る
「…なんでもだ」
『質問の答になってない!!
日本語わかってんのか!?』
「わかっとるわ、こちとら生粋の日本人じゃ」
斉藤は嫌味そうに舌を出した
『…』
「…な、何だよ…?」
急に黙りこくるゆうひに
こっちは変に焦る
『せめてさ…、理由だけでも教えて…』
ゆうひの声は
今にも消えてしまいそうなくらい弱かった
「だから…なんでもだ」
『違う、ごまかさないで…。
斉藤の本心が、聞きたいの…』
ゆうひはそのまま続ける
『うやむやにされるのが1番嫌!!
あたしのことが嫌いになったんなら、そう言って!!』
んな訳…ねぇだろ…
「オレと一緒にいたら…
お前が危ねぇ目に遭う…から…」
ゆうひは目をぱちくりさせた
『そ…んなことで?』
「そんなことってお前な…!!
この前の、小泉の時みたいになったらどーすんだよ!?」
斉藤の顔は真剣だった