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刑事とJK
第30章 肝試し
墓地に入ると、急に静かになった
そしてどこか肌寒い
『…まんまんちゃんあん、
まんまんちゃんあん…』
「るっせぇのはお前だけだ」
少し強めの風が吹いて、
柳の木が不気味に揺れた
『もおやだよおぉお~!!』
ゆうひは斉藤にしがみつく
「ったく…///」
歩きにくいが、
ゆうひをしがみつかせたまま奥へと進んだ
「…うぅ、うぅう…」
「泣くなよ」
「ううぅ…うぅ…」
「泣くなって」
『…あたしは…まだ泣いてないよ…?』
ゆうひは恐る恐る顔を上げた
「はあ?
でもなんか…」
「ぅう…うぅう…」
『……なんか…聞こえる…』
ゆうひの顔が一気に青ざめた
「あっちから、聞こえるな…」
斉藤は声のする茂みの方へ
足を進めようとした
それをゆうひは死に物狂いで止めに入った
『いっ、行かないでおこうよ!!
絶対だめ!!
早く終わらせて、か、帰ろうよぉ!!』
ゆうひは斉藤を揺すった
「せっかくの肝試しだぞ?
行かなきゃ後で後悔するかもよ…」
『絶対しない!!
ってか逆に行ったら後悔する!!
ねぇ斉藤ぉ!!』
斉藤はゆうひのこの顔には弱い
しかし、今回は厳しく当たった
「ちょっと見てくるだけだからよ」
『やだ、やだやだ!!
じゃああたしここで待っとく!!』
「ああ、すぐ戻るからよ」
『やだあ!!
行かないでぇー!!』
「どっちだよ!?」
『行かないで!!
絶対!!』
「ゆうひ」
『なに―――』
斉藤はゆうひにキスをした
ゆうひの強張っていた体は力が抜け、
やっと少し落ち着いた
「すぐ戻るから、待ってろ」
『…はい///』
斉藤はそう言って、
声のする茂みの方へ入って行った