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刑事とJK
第36章 村上
―――――――――――
しばらくして、
斉藤と村上飛鳥は部屋から出た
「斉藤」
と、藤野が声を掛けた
「何だ?」
「この人…一体どなたなんだ?」
藤野は飛鳥をまじまじと見た
「村上の…双子の妹だ」
「え!?
村上さんの妹!?」
「ああ…わりぃ」
斉藤は集まってきた人を
掻き分けるように進んでいった
後ろに飛鳥を連れて…
刑事課から外に出た
「家は、隣町か?」
斉藤は尋ねた
「うん」
「わかった。送るわ」
駐車場に向かおうとしたとき、
声が聞こえた
『斉藤!!』
斉藤は後ろを振り返った
ゆうひが駆け足で
こっちへやって来たのだった
『やっ、どっか行くの?』
「ああ、ちょっとな
どうした?」
『何もないよ、偶然通り掛かっただけ』
するとゆうひは、
斉藤の後ろに飛鳥がいることに気づいた
『…こんにちはぁ』
軽く会釈する
「こんにちは」
飛鳥もペこりと頭を下げ、斉藤に聞いた
「知り合い?」
「知り合いってか…まあ…///」
『なあに照れてんだっ』
ゆうひは
顔を赤らめる斉藤の背中をバチンと叩いた
「いって!!」
「…弥生…?」
『へ?』
ゆうひは飛鳥を見た
飛鳥はあっと口に手を当てた
「あ、いえ…、
ちょっと姉に似てたものだから…」
斉藤は驚いた
村上の双子の妹でさえ、
自分の姉とゆうひはどこか似てるっつーのか…
不思議なことに、
飛鳥自体はゆうひと似ているわけではなかった
雰囲気と言う面では、
もしかしたら飛鳥より
ゆうひの方が村上に似ていたかもしれない