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刑事とJK
第41章 船上の殺人事件
「…実は、…あまり人の多いところでは
話しづらいんですが…」
ゆうひは少し困った様子の神谷を気遣って、
一旦会場から出ようと言った
「すいません…」
『いえいえ、あたしも暇なんで』
廊下をしばらく歩いたところで足を止めた
「それで実は…少し前に、
脅迫状が届いたんです」
『えっ…、一体どんな…』
「このパーティーに出席したら、
命はないと思え…そんな内容でした」
ゆうひは驚いた
脅迫状の件では、
斉藤からは江口のことしか聞いていなかった
まさか、江口の他にも
脅迫状を送り付けられた人がいるなんて…
『そんな…』
「さっき男性が撃たれたと聞いて…身震いしました…
誰かが、狙っている
どこかから…もしかしたら、僕も狙われてるんじゃないかって…」
神谷は顔を振った
藤野さんが撃たれたのは、
江口をかばったから?
そういえば…「危ない」って誰かが叫んでたから、
あれが藤野さんだったのかな
『もしかしたら、
脅迫状を送られて来たのは複数いるかもしれませんね…』
このことは、斉藤に伝えたほうがいい…!!
ゆうひは斉藤を探しに行こうとしたが、
それを神谷は止めた
『?』
「お願いです、ゆうひさん…
しばらく…一緒にいてもらえませんか…?」
恐怖で染まった目は、
救いを求めていた…
―――――――――――
「――じゃあ、逆に恨まれる覚えのねぇ奴は
この中の誰だ?」
斉藤は、ズラッと名前が書かれた紙を
江口の前に出した
「…この会社と…この会社と…これ…かな?」
江口はそのたくさんある名前の中から
4つを丸で囲った
「あらん♪
貿易会社以外の
この3人とはしゃべったわよ?」
真理子は紙を覗き込んで言った
「本当か?」
「ええ
財閥と、トイメーカーと、株式会社の息子たちとはね♪」
「この4社と我社は、固い結束力がある…
どれが欠けても何らかの支障をきたす、そんな間柄だ」
「…」
斉藤は紙を眺めた
「…なんか、あるな」
「お、先輩の直感がびびびっとなってますね」
斉藤は時計を見た
時刻は、夜の9:30…